所員のトピックス【初心者向け】返済に必要な売上を逆算 税金も考慮して計画する方法
- メタディスクリプション
借入返済に必要な売上を知りたい初心者向けに、税金も含めた返済資金の計算
方法をわかりやすく解説。粗利率・固定費を考慮し、キャッシュフローコーチ
の活用も紹介。
- 返済に必要な売上を初心者向けに逆算|税金も考慮
会社経営で借入金を返済する場合、売上だけを見ていても計画通りにはいきま
せん。
税金や固定費を考慮して、実際に必要な売上を計算する方法を理解することが
重要です。
ここでは、初心者でもわかりやすいように、粗利・固定費・税金・返済額の関
係を順を追って解説します。
- 返済資金は利益と税金の関係を押さえる
返済に回せるお金は、銀行に支払う額だけではありません。
利益から税金を差し引いた金額が、実際に返済に使える資金です。
売上 − 材料費 = 粗利益(限界利益)
粗利益 − 固定費 − 税金 = 返済に回せる資金
この順序で考えると、税金も考慮した無理のない売上目標が見えてきます。
- 返済に必要な売上を5ステップで計算
Step1:年間返済額を確認する=返済一覧を作成することをお勧め
例:月200万円の返済 → 年間2,400万円
借入金の返済表のイメージ(キャッシュフローコーチが経営会議で使用してい
るものです)

Step2:返済に必要な利益を計算
税金を考慮すると、返済額2,400万円を確保するには約3,700万円の利益が
必要です。
年間返済額 2,400万円÷(1+0.35)≠ 3,700万円
*法人税等を35%とみています
さらに、年間100万円の減価償却費がある場合、返済可能資金は利益+減価
償却費*注1となり、より現実的な売上目標が見えてきます。
Step3:粗利から必要売上を逆算
固定費1,500万円と返済用利益3,700万円を合計し、減価償却費100万円
を加味すると必要粗利益は、
固定費1,500万円 + 返済用利益3,700万円 -減価償却 100万円
= 必要粗利益 5,100万円
Step4:粗利率で売上を算出
粗利率30%の場合、
必要粗利益 5,100万円 ÷ 粗利益率 30% =17,000万円
税金を含めた場合の最低必要売上は17,000万円です。
現状

目標設定後

- 現状の売上と比較して改善策を考える
現在の年間売上が15,000万円なら、必要売上との差は2,000万円。
改善策の例:
- 粗利率の高い商品やサービスを増やす
- 値上げや単価の見直し
- 材料費や固定費の削減
売上と返済計画を整理することで、経営の見通しが明確になります。
- キャッシュフローコーチの活用も選択肢
返済計画や売上目標の整理に自信がない場合、キャッシュフローコーチに相談
する方法もあります。
- 自社の数字に合わせた具体的なアドバイスがもらえる
- 計画を整理し、安心して経営判断ができる
あくまで選択肢のひとつとして、強制ではありません。
返済計画や数字の整理をサポートするといっても、
キャッシュフローコーチが 「これをやりなさい」と一方的に指示する先生型
ではありません。
むしろ、
経営者の考え方や価値観を丁寧に聞き取り、目指したい方向性を一緒に整理
し、その実現に必要な数字や計画を“伴走しながら”作っていくという パート
ナーのスタイル です。
返済計画の見直しや、売上・粗利・固定費のバランス調整も、経営者のペース
に合わせて 「一緒に検討しながら決めていく」 ことを大切にしています。
そのため、
数字が苦手でも相談しやすく「正しい答えを言われる」のではなく、自分で判
断できるようになります。
計画が“自分ごと”として腹落ちするというメリットがあります。
- まとめ|税金を考慮した返済売上を把握して安心
経営
ポイントは3つです:
- 税引き前で返済用利益を計算する
- 固定費と返済額を合わせて必要粗利を把握する
- 粗利率から必要売上を逆算する
税金も含めて計算することで、無理のない返済計画が立てられます。
キャッシュフローコーチのサポートも頭に入れておくと、数字に自信がない方
でも安心です。
*注1
なぜ減価償却を加味するのか
減価償却は、建物や設備などの固定資産の購入費用を会計上、数年に分けて費
用として計上するものです。
ポイントは:
- 現金の支出はすでに購入時に済んでいる
- 会計上の費用として利益を圧縮するだけで、実際の手元資金は減らない
つまり、返済資金を計算するときには、減価償却費を利益に戻すことで現金ベ
ースの返済可能額を正確に把握できるのです。
